イヤ~な思い出
小学5年生から中学3年まで塾に通っていた。
その塾は少人数制で、市内公立高校を目指し、その塾に自転車で通える
範囲の中学校に在籍する者だけが入塾を許されていた。
そして、「あの塾に通えば市内No.1、2を争うトップクラスの高校に、ほとんどの
塾生が入学出来る!」という、ちょっとしたステータスがあった。
その塾の先生は、ものすごーくマニアックで、恐ろしい。
個人経営なので、その先生を含めて2人しか先生がいなかった。
まず、授業の前に毎回小テストがある。
科目は主に暗記モノ。英・理・社(歴史・地理)。
前回の授業で「次回のテストはここから出す!」と、B5サイズの用紙を一枚
渡される。もう、どんだけ世界の山脈・川・盆地・砂漠を覚えこんだかっ!
そして、そのテストが80~100点までは合格、79点以下は不合格。
90~100点ならテスト用紙にハンコをひとつ押してくれる。
それが、「10円」の価値があるハンコ。
80~89点ならハンコはなし、でも合格。
79点以下なら・・・
教室の前に呼ばれて、「アホォ~!」と言われながら、セロテープでグルグル巻きに
硬~く縛った日の丸がかかれた扇子で、手のひらを"バシッ”と先生に打たれるのだった。
それが、痛いの。一文字に青~く内出血して、手がプルプル震えるくらいに。
打たれる前に「どっちの手がいい?」と先生がやさしく聞いてくれる。
結局は思いっきり体重のっけて、ビシッとヤられるんだけど。
授業中にペンが持てないと困るから、一応「左手」を出してた。
それだけなら、まだいい。
不合格者は黒板の横の掲示板の「アホ」という欄に、名前が記入される。
次回のテストで90点以上を取れば、その「アホ」の欄から名前は消されるけど、
80点台なら据え置き、またまた79点以下なら「アホ」の欄に名前が追加される。
その名前が3つ連続並ぶと塾をクビになる。
つまり、強制解雇。 リストラ・・・。だから、もう次の試験は必死のパッチ。
でも一人だけ、ワタシが通っている間にクビになったのに入塾試験で戻ってきた
ヤツがいた。恐るべし。
で、さっきの「10円」の価値があるハンコは、ずーっと大事に保管しておいて、
塾をやめる中学3年生の春に、枚数を数えて先生に渡すとお金(!?)が貰える。
100枚だと1000円ってな感じで。
夏には小学6年生の生徒全員引き連れて、キャンプ場で一泊二日。
費用は全部先生が出してくれて、お世話係にその塾のOBが来てた。
みーんな理系って感じの人だった。
夜の肝だめしが、半端じゃなくコワイ。
OBがやたらと気合いれるから、小学生にはキツイ。チビりそー。
4人グループでキャンプ場の周りをライト照らしながら歩くんだけど、
脅かされてビックリして溝にハマって、腰ヌケタ。
そんなワタシを放って、「キャァ~」って叫びながらグループ全員逃げた。
・・・助けろよ。
で、イヤ~な思い出だけど・・・
小テストの結果が良ければ、強制的に前から順番に席が決められる。
真ん中辺で定着していたワタシにとって、思いのほかいい点を取ってしまうと、
前にいかされるのが苦痛で苦痛で。
前に座ってる人たちは「・・・よーこそ、賢いチームへ」みたいな雰囲気を
かもし出してる(よーに思えた)から、こっちまで、「ど、どうも。今日から
ヨロシクオネガイシマス」みたいな気分になってしまった。
同年代なのにミョーに緊張した。
この落ち着かない空間がすっごくイヤだった。
授業中も「次回のテストで、早く真ん中辺の席に戻りたい~」と思って、
すごく憂鬱だった。
今思うと、ホント変な塾だった。
休憩時間に本気だして、先生が生徒と卓球する塾なんて、ココぐらいちゃう?
でも、その塾から東大行く子、多かったよなぁ~。


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